
(白石川河川敷の桜…2005年)
昨日もコメントありがとうございます。→kanaさん、VIOLET_Fr_Jpさん
さっそくネタにさせてもらいます。。。。が…
kanaさん「安くて軽くて大きなズームもついててぶれなくてバックがきれいにぼやけられる機能つきで初心者向きのデジカメ欲しいです(^^;)」
うーん、なんて欲張りな (^^;
これは「一発回答」というわけにはいきそうにないです。
その土台となる話が今日・明日と続きますので、それらを踏まえて検討していきます。
VIOLET_Fr_Jpさん、私の説明は数字が多いですが、なるべく直観的なことも交えて書くつもりです。参考になれば幸いです。
さて今日は、「デジカメに必要な画素数とは?」ということを考えて見ます。
いまどきのデジカメ、コンパクトなものでも500万画素が当たり前になっています。
最近は700万画素や、補間ではありますが1000万画素なんてのもあります。
しかし、実際問題、どれくらいの画素数が必要なのでしょう??
「画質」という点では画素数以外にも重要な要素がありますが、まずは画素数だけについて考えて見ます。
デジカメで撮影した写真の活用方法ですが、ぱっと考えられるのは以下の二つです。
(1)パソコンの画面で見る
(2)プリントしたものを見る
まず、(1)に必要な画素数は?を考えます。
一般的なパソコンのモニターは大きくても1280x1024ってところでしょう。
たまに1600x1200ってのもありますが、まだ少数派です。
そこから画素数を計算すると、1280x1024=1310720=130万画素、1600x1200=1920000=192万画素です。
つまり、200万画素もあれば必要十分だと言えます。
それ以上多い画素数で撮影したところで、パソコンのモニターで見るときは縮小表示をしているわけです。無駄です。
よって、ここからいえることは、
「パソコンの画面で見るだけならば、200万画素もあれば十分」
です。
次に(2)に必要な画素数を考えて見ます。
まず前提となることを説明します。
画像の緻密さ(細かさ)を示す単位として「dpi」というものがあります。
dpiとは dot par inch のことで、1インチの長さに何ドットあるか?を表す数値です。
この値が大きいほど緻密で綺麗な画像になりますし、この値が小さいと荒くてザラザラした画像になります。
では、どれくらいのドットがあれば(どれくらいのdpiならば)、綺麗なプリントが得られるのでしょう?
これについて、テストしてみました。
最近はどこの写真屋さんでも「デジカメプリント」が出来ます。
その中でも、デジカメプリントにも、普通のネガからプリントするのと同じシステムを使っている店を選びます。
そして、同一画像を加工して 200dpi〜600dpiの画像を作ってプリントし、写真を目視で確認して、はたしてどれくらいのdpiがあれば必要十分なのかを検証したのです。
その具体的比較サイズですが、普段みなさんが写真をプリントするサイズで「L版」というものがあります。
そのサイズは、だいたい127mm×89mmです。1インチ=25.4mmですので、L版をインチに直すと 5インチx3.5インチ です。
このとき、例えば200dpiの画像というのは、1インチに200ドット並んでいるわけですから、5インチには1000ドット、3.5インチには700ドット並んでいます。
そのときの画素数は 1000x700=70万画素です。
同様に、250dpi,300dpi,350di,400dpi,600dpiのときのドット数が計算できます。(600dpiならば 3000x2100=620万画素)
素材としては630万画素のデジカメを使って撮影した写真で、それを200dpi〜600dpiまでリサイズしたものを用意して写真屋さんでプリントしました。
その結果は… 200dpiと250dpiはかろうじて差がわかるかな??という程度。
250dpiより細かいものは全く差がわかりませんでした。
実は、この結果はけっこう当たり前でして、聞いた話では写真屋さんの業務用プリンタは300dpiらしいです。
ですので、300dpiより細かい画像を持って行っても意味が無いわけです。
(1インチに300個の点を印刷するプリンタに、例えば1インチに600個の点の画像を持っていったって、結局1インチに300個の点しか印刷してもらえないから)
実際のところは、200dpiでは少し落ちるかな…っていう程度で、250dpiより大きければ差がわからなかったです。
(これは私の目での話なので、見る人が見れば差になって現れるのかもしれませんが…)
というわけで、この実験の(私の)結論は、
・200dpiで必要十分で、250dpiあれば完璧
です。
では、プリントサイズごとに必要なドット数を計算してみます。
250dpiでは以下のようになります。
・L版:127mm× 89mm= 5.00インチx3.50インチ=1250ドットx 875ドット=109万画素。
・A4:297mm×210mm=11.70インチx8.26インチ=2925ドットx2065ドット=604万画素。
これが200dpiならば、A4でも2340x1652=387万画素になります。
つまり、以下のことが言えます。
・L版プリントならば110万画素もあれば十分
・A4プリントでも600万画素あれば十分。少し画質が落ちてもよいならば400万画素でも十分
実際には、トリミング(写真の一部の切り出し)をすることもあるでしょうから、少し余裕を持ったほうが良いのは間違いありません。
それにしても、L版プリントならば150万画素もあれば十分ですし、A4でも(200dpiなら)500万画素もあればよいことになります。
そんなわけで、L版プリントが大部分な普通の人は、いまどきのデジカメならば何でも良いということになるわけです。
(あくまでも「画素数という観点においては」ですが)
今日はこのへんで…
(明日は、画素数以外の観点について書きます)